入社後、数年間はモーターコアを次世代車に織り込むための技術の先行開発に携わっていました。そのプロセスの中で、初めて経験したのが「構造解析」です。開発した製品を実際に生産する前にCADでモデルをつくり、荷重をかけても十分な強度や耐久性を保てるかどうかなど、解析ソフトでシミュレーションをします。また不具合が発見されれば、原因究明も行います。
構造解析のメリットの一つは、PC上で解析作業を行うことで試作回数を減らせることです。結果、コスト削減や工期の短縮化もでき、利益率向上にもつながります。

他方、構造や現象が複雑になると解析に時間を要し、長いものでは1カ月以上かかるものもあります。また高度な解析が求められると、必要なスキルも増えてきます。とても面白く有意義な仕事なのですが、そういった理由もあってか、私が関心を抱き始めた当時は社内に解析ができる人材が少なく、まだまだ浸透していませんでした。
ただ、解析の仕事は今後ますます重要になってくる。自分も解析のスキルを磨き、解析の仕事を通して会社に貢献したいという思いが生まれてきました。そこで本格的に解析の仕事を担当したい旨を上司に相談し、解析の部署に異動となりました。

とはいえ、解析の仕事は奥が深く、私にはまだまだわからないことばかり。社内の経験豊富な先輩方に手厚く教えていただきながら、2〜3カ月に１回、社外で催されているセミナーにも会社のサポートで参加しています。自分が望めば、出張してでも学ばせてもらえる。そんな環境があることは、本当にありがたい限りです。
今では月に1回、解析に関する社内勉強会も実施するようになりました。興味を持つ人も増え、他部署の方から相談されることもよくあります。

私自身は現在、モーターコアや周辺装置の構造解析に加え、熱を与えたときの影響を解析する「伝熱解析」を手掛けていますが、今後さらに構造解析や伝熱解析のスキルを深掘りしながら、他の解析スキルも身につけたいと考えています。私の目標は、あらゆる分野の解析に対応できる人材になることです。そうして少しでも会社に貢献していければと思います。